うつや引きこもりなどの精神疾患がある人にとって、働くことは大きな障害があります。それは偏見です。精神医学が進んでいない日本では、精神科に掛かることは恥ずかしいことであると捉える人が多く、患者本人でさえ受診を躊躇いがちになります。辛い本人でさえ偏見があるのですから、周囲の者はより偏見を抱くといえます。うつや引きこもりの症状がある人でも調子の良い時はあり、自信がつけば症状は少しずつですが改善していきます。
しかし、就職面接の際に精神疾患があることを告げると、間違いなく不採用となります。経営側からすればリスクのある人を雇いたくないというのが本音です。そのため、精神疾患があることを隠して働くか、それとも精神疾患があることを告げて、限られた職種で働くかしか選択肢がありません。限られた職種の例として、病院の夜間清掃や介護職が挙げられます。この2つの仕事で共通していることは、医療機関に携わる仕事だということです。夜間清掃を行うような大きな病院には、当直の医師や看護師がいます。介護についても医療の延長的要素があり、病院が介護施設を経営しているとこも多いのです。医療従事者の中でも、精神疾患への偏見は少なからずありますが、医療従事者の偏見の場合は、精神医学についての知識もあるので一定の理解は得られるでしょう。
精神科病院の中には、老人ホームやデイケアサービスなどを運営しているところもあり、そのどの施設も人材確保に苦慮しています。うつや引きこもりの症状があっても働きたいと考えている人は、老人ホームなども運営している精神科病院に通い、初めはヘルパーとして職員の補助をしながら仕事に慣れるということもできます。